INTERVIEW

ブロックチェーン 有識者とつながってみた
Vol.1 後半 ブロックチェーンアドバイザー 四條 能伸氏

2019年8月1日

世界を変える技術と言われるブロックチェーン、それによる変化は始まったばかりであると考えられます。
インベスコ・アセット・マネジメントでは、その変化の最先端にいる有識者との対談を通じて、ブロックチェーンの可能性を お伝えしていきたいと考えています。
ブロックチェーンという技術革新によって、従来の感覚では想像もつかなかったサービスや仕組みが出てくることでしょう。
そんな明るい未来の一端を少しでもご紹介できればと考えています。

第1回の後半となる今回は、前回に引き続き、ブロックチェーン・アドバイザーの四條 能伸氏にいただいた貴重なお話をご紹介します。四條さんは、CollaboGate大阪代表を務め、ブロックチェーン技術を活用し、世界中のプロフェッショナルと仕事ができるプラットフォームの開発や、ブロックチェーンの産業実装を目的とした企業向けのワークショップや共同リサーチなどを国内外で行なっています。
同時に、大阪大学大学院博士課程でブロックチェーン技術の応用を研究されています。
7月からはIFA株式会社の取締役CTOに就任し、更なるご活躍が期待されます。それ以前は、株式会社LastRootsの執行役員として、暗号資産(仮想通貨)の設計・開発・運用を担っていました。

後半となる今回は、四條さんの技術的な専門知識と実際のビジネスでの経験に基づいて、前回お話していただいたブロックチェーンの特性に続き、ブロックチェーンが実際にどのように活用されていくのかお話をしていただきます。

四條 能伸氏
インベスコ: ブロックチェーンの特性は分かってきましたが、実際にどのように使われているかを教えてもらえますか。
四條: 最初に分かりやすい事例をご紹介します。既に始まっていることですが、国際送金です。これまでは銀行を中継するので、国際送金には時間と手数料がかかっていましたが、ブロックチェーンを活用すれば、銀行を中抜きして、直接送金ができるようになります。しかも、非常に安い手数料で迅速な処理が可能です。実際、リップルという仮想通貨が国際送金でよく使われるようになってきています。もうひとつの代表的な事例は、サプライチェーンです。イメージしやすいと思いますが、ブロックチェーンでは流通過程で履歴が残されますので、偽造品や不正のリスクを削減することができます。加えて、流通過程を精緻に把握できるので、最適な供給も可能となります。
インベスコ: 情報に履歴があると、偽造品があっても、すぐに分かるのですね。
四條: 情報に履歴があるというのは、別の言い方をすれば、ただ一つの固有の情報とも言えます。ですから、存在や権利の証明にはすごく役立つのです。わざわざ公証役場で保証してもらうことなく、ブロックチェーン上の情報が、履歴として存在や権利を保証しているのです。
インベスコ: なるほど。その他に新しい事例はありますか。
四條: 新しさという点では、是非トークンをご紹介したいと思います。トークンはブロックチェーン上の独自コインとも言われますが、価値や権利といったものです。リアルな世界の様々な資産や権利をブロックチェーン上のデータとしてトークン化することで、人々はそのトークンを売買できるようになります。トークンエコノミーという新しいビジネスと言えるでしょう。不動産の所有権を小口トークン化すれば、トークンの保有割合に応じて家賃収入などを受け取れます。不動産のような資産に限らず、いろいろなものがトークン化できるところが面白いと思います。情報、時間、信頼といった目に見えないものでも、需要と供給があれば、トークン化して取引が可能になるのです。何をトークン化して、どのように使うかによっては、考えもつかない新しいビジネスが出てくると思います。
インベスコ: ブロックチェーンによる新しいビジネスの出現が楽しみですね。でも、現実的にはブロックチェーンのビジネスとして、どんなように収益を上げているのでしょうか。
四條: ブロックチェーンのビジネスは、まだまだ始まったばかりですので、もっと大きくなっていくと思います。現状、収益の上げ方としては、直接的なものと間接的なものがあると言えます。分かりやすい間接的なものから説明すると、まず、仮想通貨の取引所の運営ビジネスでしょう。取引手数料や上場手数料が収益となります。マイニングという仮想通貨の運営支援による報酬、ウォレットという決済サービスの手数料なども収益となります。
直接的なものでは、Daaps(Decentralized Apprications)と呼ばれるブロックチェーン上のアプリケーションの開発・運用が挙げられます。まさにブロックチェーンをどう活用してサービスを提供し、どう対価を得るかといったことですが、ビジネス・モデルが確立されていない分野ですので、私自身も研究しているところです。既に様々なDaapsがありますが、既存の大企業、技術力のある企業、アイデアのある新興企業がどのような役割を果たしていくか、期待感を持って見ていきたいと考えています。そして、何よりも私自身が新しいビジネスを作っていきたいですね。
インベスコ: 四條さん、今日は分かりやすく本質的なお話をしてくださり、本当にありがとうございました。

<終わり>

上記は2019年5月14日に四條氏の取材を基にインベスコ・アセット・マネジメントにて作成。