INTERVIEW

ブロックチェーン 有識者とつながってみた
Vol.1 前半 ブロックチェーンアドバイザー 四條 能伸氏

2019年7月22日

世界を変える技術と言われるブロックチェーン、それによる変化は始まったばかりであると考えられます。
インベスコ・アセット・マネジメントでは、その変化の最先端にいる有識者との対談を通じて、ブロックチェーンの可能性をお伝えしていきたいと考えています。
ブロックチェーンという技術革新によって、従来の感覚では想像もつかなかったサービスや仕組みが出てくることでしょう。
そんな明るい未来の一端を少しでもご紹介できればと考えています。

第1回目の有識者は、ブロックチェーン・アドバイザーの四條 能伸氏です。四條さんは、CollaboGate大阪代表を務め、ブロックチェーン技術を活用し、世界中のプロフェッショナルと仕事ができるプラットフォームの開発や、ブロックチェーンの産業実装を目的とした企業向けのワークショップや共同リサーチなどを国内外で行なっています。
同時に、大阪大学大学院博士課程でブロックチェーン技術の応用を研究されています。 7月からはIFA株式会社の取締役CTOに就任し、更なるご活躍が期待されます。それ以前は、株式会社LastRootsの執行役員として、暗号資産(仮想通貨)の設計・開発・運用を担っていました。

今回は、四條さんの技術的な専門知識と実際のビジネスでの経験に基づいて、ブロックチェーンの特性についてお話をしていただきます。

四條: ブロックチェーンについて話をする時、多くの人から、ブロックチェーンとは何なのか、何ができるのかといったことを最初に聞かれます。ブロックチェーン自体はデジタル情報の技術ですが、画期的な技術であるということは最初にお伝えしたいですね。今日は、その技術の特性と、それを活用して何ができるのかを分かりやすく具体的にお話したいと思います。
インベスコ: ブロックチェーンは技術革新だと期待されていますが、何がこれまでと違うのですか?
四條: 非中央集権的なシステムであるということが大きな違いです。どんなことかと言うと、これまではインターネットのサービスを利用する場合、システムは運営会社がコントロールしていました。中央集権的なシステムです。しかし、中央に権限が集中し過ぎると問題も出てきます。ビットコインを開発したとされるサトシ・ナカモトも、そうした問題意識を持って、ブロックチェーン技術を活用して、仮想通貨の仕組み、すなわち、非中央集権的なシステムを考え出しました。非中央集権的なシステムには運営会社は必要としません。複数もしくは全員でシステムを管理できるのです。みんなで情報を共有し、検証するのですが、新たな情報を追加する、すなわち書き換える場合、みんなの検証が済まないと情報は更新できないので、勝手な書き換え、いわば改ざんが困難になるのです。
インベスコ: では、みんなの同意で更新された情報はどうなっていくのですか?
四條: ブロックチェーンと言われる所以でもあるのですが、検証の処理が終わると情報の固まり(ブロック)ができます。情報の追加があると、また新たなブロックができるのですが、各ブロックは鎖(チェーン)でつながっています。この連続の中で整合性が取れるので、正しく書き換えられたブロックのチェーンだけがつながっていくわけです。
インベスコ: 非中央集権的なシステムなんて、なんだかデジタル情報が民主化するみたいで良いですね。
四條: 概念として良いというだけではありません。実際に優れた点があるのです。ブロックチェーンで利用者同士が直接やりとりできれば、中抜きで、仲介手数料のようなコストが削減できます。また、利用者間で情報を共有するため、透明性の高い情報に基づいて、安心して取引ができます。加えて、チェーンでつながった情報ですから、追跡が可能で、履歴の改ざんも困難です。その他にも、取引の自動化やシステムそのものの信頼性の向上といったメリットもあります。

四條氏が挙げるブロックチェーンの注目すべき点

中抜き 仲介者を通さないため、取引の高速化・低コスト化が実現
透明性 原則的に誰でも閲覧可能であるため、情報の非対称リスクが軽減
追跡性 情報の履歴の改ざんが困難であるため、正しい情報の取得や保証が可能
自動化 スマートコントラクトによる自動化で公平・公正な取引が実現
信頼性 特定の管理者を必要としない“落ちない”システム
インベスコ: 取引の自動化のメリットとは、どういうことでしょうか。
四條: ブロックチェーンの中に、スマートコントラクトという仕組みがあります。ブロックチェーン上には、情報だけでなく、プログラムも書き込むことができます。よく自動販売機に例えられるのですが、プログラムに従って、全自動で安全に取引を行うことができるのです。ブロックチェーンは情報を正しく管理するだけでなく、情報を公平・公正に処理できるものでもあるのです。

今回は、四條さんの技術的な専門知識と実際のビジネスでの経験に基づいて、ブロックチェーンの特性についてお話をしていただきました。次回は、ブロックチェーンが実際にどのように使われているのか、その具体例についてもお話いただきましたので、そちらの内容をご紹介させていただきます。